5/31、帝国データバンク情報統括部から、食品主要195 社における価格改定動向調査 が発表されました。それによると、電気代の上昇が、食品の製造コストを押し上げ、食品の価格上昇につながっていることがわかりました。
2023年2月以降、電気代の上昇を理由とした値上げの割合は増加し、7月には値上げが予定されている約3,400品目のうち、2割を超える777品目が電気代の上昇を値上げの理由としています。主な食品分野別にみると、電気代を理由とした値上げの割合が最も高いのは「パン」で、全約1,700品目のうち約4割・718品目です。パン製品は、オーブンでの焼き上げや発酵を促すための温度管理など、製造工程の多くで電力を大量消費する食品分野の一つです。輸入小麦の価格改定に伴う小麦粉価格の値上げに加え、バターなどの乳製品やイースト、砂糖、各種油脂製品など原材料価格が大幅に引き上げられるなか、電気代の上昇分を経営努力で吸収できる余力に乏しいことも要因とみられます。
「乳製品」「加工食品」ではそれぞれ8~9%の品目で電気代の上昇が要因となりました。とくに乳製品では、パック牛乳やチーズなど加工品製造過程のほか、原料乳を供給する酪農家でも電気代の上昇が響き、88品目で電気代上昇による価格改定がみられました。「加工食品」は、ハム・ソーセージ製品や豆腐製品、焼きのり製品など幅広い分野に影響が広がり、電気代上昇を理由とした値上げととしては全分野で最も品目数が多い911品目に上りました。
電気代の上昇は、今後も食品の価格上昇につながっていくことが予想されます。