シュッピン、業績好調上げ!

シュッピン、業績好調上げ!

2023年8月9日

8月1日、小売セクターで前日比10%超となったのは、値上がり1銘柄、値下がり1銘柄の合計2銘柄となりました。

値上がり率トップは、シュッピン(3179)でした。
株価が8月9日に前日比+13.45%と急騰した背景には、同社が2023年7月度の月次情報および2024年3月期第1四半期決算を発表し、業績が市場の期待を上回ったことが影響しています。

まず、2023年7月度の月次情報において、シュッピンは前年同月比15.8%増の売上高41.97億円を達成し、特にEC売上高は同9.1%増の31.57億円となりました。このうち、カメラ事業は2桁成長を達成し、カメラEC売上高も同様に2桁成長となりました。また、時計事業も前年同期比2桁成長し、免税売上高は前年同期比で3倍以上の伸びを記録しました。さらに、新規Web会員数の増加も見られました。これらの好業績は、カメラ事業と時計事業の成長、免税売上の拡大、新規顧客の獲得などによるものとされています。

次に、2024年3月期第1四半期(23年4月-6月)の決算情報が発表されました。売上高は前年同期比5.0%増の113.16億円となり、特にカメラ事業が16.9%増の売上高88.97億円を記録し、セグメント利益も同24.8%増となりました。このカメラ事業の成果には、YouTubeを中心とした動画制作・配信を行う「コンテンツクリエイト部」の新設や若年層視聴者の獲得が寄与しています。

また、時計事業では前年同期比25.8%減の売上高21.06億円となりましたが、高級時計価格の相場下落の影響が一服し、利益を確保しながら商品の販売を行ったことが示されました。筆記具事業や自転車事業でも増収増益を達成し、中古品の売れ行きやメーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売が成功しています。

これらの好業績とともに、7月の月次売上高も前年同月比15.8%増となり、2ケタの伸びを示しました。特にカメラ事業の成長が継続し、時計事業も売上高の回復が見られたことが市場から評価されました。

このような好業績を受けて、投資家たちはシュッピンの将来的な成長への期待感を高め、株価が急騰したと考えられます。特にカメラ事業の成果やEC売上高の増加、新規顧客の獲得などが投資家にポジティブな印象を与え、株価上昇の要因となったといえるでしょう。

順位コード会社名終値前日比
13179シュッピン1,20613.45%
8月9日、小売セクター値上がり率前日比10%超銘柄

値下がり率のトップは、BEENOS(3328)でした。株価が、8月9日に急激な下落を記録し、前日比で-16.58%の変動率を示しました。この下落の理由について、以下の要因が影響していると考えられます。

まず、BEENOSの2023年9月期第3四半期(22年10月から23年6月)の決算発表が大きな影響を与えました。同決算において、連結経常利益が前年同期比4.7倍の23.8億円に増加し、3Q累計の業績は拡大したものの、通期計画に対する進捗率が56.8%にとどまり、市場の期待に対して物足りない結果となりました。これにより、投資家や市場参加者の中で将来の業績不確実性が懸念され、株価への売り圧力が高まった可能性があります。

また、同決算発表の中で、Eコマース事業におけるセグメント別の業績も示されており、一部のセグメントで売上や利益が前年同期比で減少していることが明らかになりました。特に、エンターテインメント事業の売上高が66.9%減少し、営業損失が215百万円となったことが市場の警戒感を高めた可能性が考えられます。

その他にも、市場環境や競合他社の動向、国内外の経済情勢など、複合的な要因が株価の下落に寄与した可能性があります。投資家の期待と実績の乖離、特定の事業セグメントの低調な業績、市場全体の不安定要因などが相まって、株価の急落が起こったと考えられます。

総合的に、BEENOSの株価下落は、主に2023年9月期第3四半期の決算発表による業績不安や投資家の期待との差異、市場環境の不確実性などが複合的に影響した結果と言えるでしょう。

順位コード会社名終値前日比
13328BEENOS1,695-16.58%
8月9日、小売セクター値下がり率前日比10%超銘柄