8月10日、小売セクターで株価が値上がり率前日比10%超となったのは、値上がり2銘柄でした。
値上がり率トップは、和心(9271)で、ストップ高となりました。株価急騰の背後には、中国政府の発表が大きな影響を与えたとされています。
複数のメディアが報じたところによれば、中国政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制限していた中国人の日本への団体旅行を、10日から解禁すると発表しました。これによって、日本へのインバウンド旅行が再開されることとなりました。この発表は、中国人観光客の日本への来訪が3年半ぶりに再開されるという点で注目を集めました。さらに、中国政府は日本だけでなく、欧米など世界約80カ国への団体旅行も新たに解禁するとの情報が伝えられました。
この発表を受けて、和心の株価は急騰し、ストップ高となりました。なぜならば、和心はインバウンド関連銘柄の一つであり、中国からの観光客の来日が再開されることで、同社の業績への期待が高まったからです。中国人観光客の来日が増加すれば、和心の事業にプラスの影響を及ぼすとの期待が市場参加者によって高まり、株価が上昇しました。
この株価急騰に影響を受けた他の企業としては、HANATOUR JAPAN(6561)、ベルトラ(7048)、アドベンチャー(6030)などがあります。
値上がり率の2位は、日産東京販売ホールディングス(8291)でした。その理由は、同社が発表した2024年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益の増益と、好調な業績を示す決算情報が大きな影響を与えたとされています。
日産東京販売ホールディングスは、8月9日に決算を発表しました。同社の2024年3月期第1四半期の連結経常利益は前年同期比69.5%増の18.1億円と、着実な増益を達成しました。通期計画の57億円に対する進捗率は31.9%に達し、5年平均の15.3%も上回る成果を記録しました。また、直近3ヶ月間の実績である4-6月期の売上営業利益率も前年同期比で改善し、3.4%から5.1%に向上しています。
さらに、日産東京販売ホールディングスは、新車登録台数が増加したことや電動車(EV・e-POWER車)の販売が伸びたことなど、自動車関連事業および情報システム関連事業の好調な業績により、売上高および利益を増加させました。特に、電動車の販売台数が伸び、それに伴う販売単価の向上が業績に寄与しました。
これらの好業績を受けて、投資家や市場参加者は日産東京販売ホールディングスの将来の成長性に対する期待を高め、株価が急騰しました。業績の改善や積極的な経営戦略によって、同社のビジネスが順調に推移していることが市場に評価され、株価上昇の要因となったと言えます。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 9271 | 和心 | 438 | 22.35% |
2 | 8291 | 日産東京販売ホールディングス | 443 | 13.01% |