ゲオ、ストップ高、6銘柄で10%超え!

ゲオ、ストップ高、6銘柄で10%超え!

2023年8月14日

8月14日、小売セクターで前日比10%超となったのは、値上がり6銘柄、値下がり6銘柄の合計12銘柄となりました。

値上がり率のトップは、ゲオホールディングス(2681)で、ストップ高となりました。その理由は、以下のポイントが挙げられます。

1.第1四半期決算の好結果発表: 先週末に発表された第1四半期決算では、営業利益が前年同期比43.8%増の57.9億円となり、通期計画である130億円に対する進捗率が44.5%に達しています。これは市場の期待を上回る業績であり、投資家から好感を受けました。
2.リユース需要の継続: 物価高に伴う生活防衛手段としてのリユース需要が継続し、国内外の2nd STREETの売上が伸長しています。この需要の拡大がゲオホールディングスの売り上げに寄与しています。
3.家庭用ゲーム市場の好調: 家庭用ゲーム機本体の順調な販売やゲームのヒットタイトルも業績に寄与しており、新品の売り上げも大幅に伸びています。
なお、ゲオホールディングスは今後も業績が好調であることを反映して、2024年3月期の通期業績予想を従来の予想を据え置いています。

値上がり率の2位は、AmidAホールディングス(7671)で、ストップ高となりました。その理由は、ラクスルがAmidAホールディングスに対して公開買い付け(TOB)を実施すると発表したことです。TOB価格は1株につき951円で、買付期間は14日から9月25日までの予定です。AmidAホールディングスはこのTOBに賛同の意見を表明し、応募を推奨しています。ラクスルはAmidAホールディングスを完全子会社化し、上場廃止とする予定であり、この動きが市場で好感され、株価が急騰しました。

値上がり率の3位は、ペットゴー(7140)でした。株価急騰の理由は以下の要因が挙げられます。

1.営業利益の急増: 2年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算において、ペットゴーの営業利益が前年同期比64.1%増の1億円となり、通期計画に対する進捗率も37%と順調でした。この業績改善が市場で評価され、買いが集まりました。
2.オンラインサイトの売上拡大: 自社のオンラインサイトにおけるサブスクリプションコマースとD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)ブランドによる売上高が大きく伸びました。特に、ペット向けのノミ・マダニ駆除薬がオンシーズンである4~6月期に売上総利益率が上昇し、収益を押し上げました。
3.大量保有報告書提出: 小出文彦氏がペットゴーの保有割合が5%を超えたと発表しました。保有比率は7.28%で、報告義務発生日は2022年4月28日。この報告が市場に注目され、株価に影響を及ぼした可能性があります。
これらの要因が重なって、ペットゴーの株価が急騰したと考えられます。

値上がり率の4位は、アールビバン(7523)でした。株価が急騰した理由は、以下の要因が影響しています。

1.業績急拡大: 24年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.2倍の11.7億円に急拡大しました。この結果は通期計画の進捗率も97.9%と、5年平均の44.5%を上回ったことから評価され、市場で買いが増えたと考えられます。
2.売上営業利益率の上昇: 4-6月期(1Q)の売上営業利益率が前年同期の18.2%から27.2%に大幅上昇しました。特にアート関連事業の売上拡大が寄与し、収益が増加しました。
3.経営方針の発表: 会社は、創業40周年を迎える2023年4月度より成長スピードを上げる方針を示し、アート関連事業を中心に事業運営の強化や新規顧客開拓を行う姿勢をアピールしました。この経営方針に対する期待から、投資家の関心が高まり、株価が上昇したと思われます。
これらの要因が複合的に作用し、アールビバンの株価が急騰したと考えられます。

値上がり率5位は、いつも(7694)でした。株価が急騰した理由は以下の要因によるものです。

1.経常黒字の浮上: 24年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益が8100万円の黒字に浮上し、前年同期の1億1900万円の赤字からの好転が見られました。これにより、上期計画の7000万円の赤字をすでに上回る成績を収めたことが市場のポジティブな反応を引き起こしました。
2.売上営業損益率の改善: 4-6月期(1Q)の売上営業損益率が前年同期の-4.6%から2.7%に急改善したことも注目されました。これは、収益の向上とコスト削減などの努力が実を結んだ結果です。
3.多角経営の成果: いつもは、全サービスで増収増益を達成しました。特に、Oneコマースや協業ブランドパートナー・ECプラットフォームでの売上高の成長が順調であり、新規案件の立ち上がりも好調でした。これにより、売上総利益の大幅成長が実現し、市場からの評価を受けました。
4.新規プロジェクトの収益化: 以前から投資されてきたライブコマース、コスメ、海外独占販売ライセンス事業など、複数の新規プロジェクトが計画通りに収益化してきたことが報告されました。これは将来的な成長に対する期待を高め、投資家に好感を与えた要因となりました。
これらの要因が相まって、いつもの株価が急騰したと考えられます。

値上がり率の6位は、ゼンショーホールディングス(7550)でした。株価が急伸した理由は以下の要因によるものです。

1.MSCI新規採用: ゼンショーホールディングスは、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の定期銘柄見直しにおいて唯一の新規採用銘柄となりました。これにより、MSCIの指数に採用されることが決まり、投資家からの注目を集めました。
2.需給インパクト: 大和証券が1.5億株のゼンショーホールディングスの買い需要が発生すると試算し、約5日分の買いインパクトが期待されています。この需給インパクトを先取りする動きが市場で優勢になり、株価の急伸を後押ししました。
3.決算の大幅増益: 先週末に発表された第1四半期決算では、ゼンショーホールディングスの営業利益が前年同期比3.6倍の96億円となり、期待通りの大幅増益を達成しました。この好決算も投資家にプラスの印象を与えました。
これらの要因が相まって、ゼンショーホールディングスの株価が急伸したと考えられます。

順位コード会社名終値前日比
12681ゲオホールディングス2,24921.63%
27671AmidAホールディングス54517.20%
37140ペットゴー1,60015.77%
47523アールビバン1,15212.94%
57694いつも91412.29%
67550ゼンショーホールディングス7,28710.34%
8月14日、小売セクター値上がり率前日比10%超銘柄

値下がり率のトップは、JFLAホールディングス(3069)でストップ安となりました。理由は以下の要因によるものです。

1.株主優待見送り発表: JFLAホールディングスは、株主優待を当面見送ることを発表しました。これは、一層の収益改善を図るために設備投資や財務体質の強化を行うためで、現行の優待を23年3月末まで終える方針です。この優待見送りの発表が市場で嫌気され、売り圧力が増加しました。
2.決算内容: 4~6月期決算を発表した結果、売上高は前年同期比13.8%減の162億6,000万円となりました。営業損益は前年同期の赤字から2,900万円の黒字に転換して着地しました。ただし、特別損失の影響で最終損益ベースでは赤字となっています。
3.業績予想の変更: 同日、2年後の業績予想を発表しました。売上高を前期比21.8%減の600億円、営業損益を前期の赤字から1億5,000万円の黒字転換とする見込みです。これにより、4期ぶりに営業黒字に浮上すると予想されています。
このような要因が組み合わさり、JFLAホールディングスの株価がストップ安となったと考えられます。優待見送りや減収の決算、業績予想の変更などが投資家の懸念を引き起こし、売り圧力が高まった結果です。

値下がり率2位は、HYUGA PRIMARY CARE(7133)でした。
株価の暴落の理由は、HYUGA PRIMARY CAREが2023年8月10日に発表した第1四半期(4-6月)の経常利益が前年同期比で59.9%減少し、予定していた4-9月期(上期)の計画進捗率が26.8%にとどまり、前年同期の52.1%を下回ったことです。さらに、直近3ヵ月の実績である4-6月期(1Q)の売上営業利益率が前年同期比で8.3%から3.1%に急悪化したことも影響しています。これに加えて、エムスリーなど共同保有者がHYUGA PRIMARY CAREの株式保有比率を減少させた報告がありました。したがって、業績の減少と株式保有者の動向が、株価の暴落の主な理由となったと言えます。

値下がり率の3位は、クラダシ(5884)で、ストップ安となりました。理由は、以下の要因によるものです。

1.決算発表における経営成績の概況: クラダシは23年6月期に1億6700万円の赤字を計上し、前期の8000万円の赤字から赤字幅が拡大しました。この赤字幅の拡大が投資家の懸念を引き起こしました。
2.2024年6月期の業績予想: クラダシは2024年6月期において売上高3,500百万円、営業利益45百万円、経常利益45百万円、当期純利益80百万円を見込んでいます。これは前期と比べて増加傾向にあるものの、その増加幅が限定的であり、市場予想を下回る部分もあるため、市場参加者の期待を満たせなかった可能性があります。
3.今後の見通し: 決算短信において、クラダシは「食品のEC市場の動向に影響を受けており、今後もEC化の流れは続くと予想される」と述べていますが、この点に関しては楽観的な見方と慎重な見方があるため、市場参加者の間で意見が分かれることとなりました。
これらの要因が相まって、投資家はクラダシの業績と将来の見通しに対して懐疑的な姿勢を取り、株価がストップ安となった可能性があります。

値下がり率の4位は、リネットジャパングループ(3556)で、ストップ安となりました。理由は、以下の要因が注目です。

1.利益予想の下方修正: リネットジャパングループは、2023年9月期の連結業績予想を大幅に下方修正しました。営業利益は6億円から1000万円に、最終損益は3億8000万円の黒字から2億円の赤字に修正されました。この下方修正に市場は失望し、株価が大幅に下落しました。
2.人件費の増加: リネットジャパングループはアニスピホールディングスの買収などによる経営体制整備に人的投資を行った結果、人件費が増加しました。また、ポストコロナに伴う巣ごもり需要の反動減による中古再販価格の下落も影響しています。
3.経済不安と政治要因: カンボジア経済の悪化や政権移譲に伴う総選挙の実施による一部行政の停滞が影響し、マイクロファイナンス事業の信用コストが急増しました。これらの要因が損益を悪化させました。
4.実績の悪化: 連結最終損益が前年同期に比べて大幅に赤字となり、通期の損益予想も黒字から赤字に変更されました。特に第3四半期累計の連結最終損益は、前年同期の4.2億円の黒字から1.8億円の赤字に転落したことが市場に悪影響を及ぼしました。
これらの要因が相まって、投資家はリネットジャパングループの業績の不振と将来の見通しに対して懐疑的な姿勢を取り、株価がストップ安となった可能性が高いです。

値下がり率の5位は、オイシックス・ラ・大地(3182)でした。株価が急落した理由は、以下のポイントからまとめられます。

1.決算は好調: 2023年8月10日に発表された決算は、前年同期比で31%増益の11.8億円という非常に良い成績で着地しました。売上営業利益率も改善しており、業績面での問題はありませんでした。
2.経営環境の変化: 新型コロナウイルス感染症の影響により、食品のEC市場が変化し、新しいライフスタイルやワークスタイルの中で需要が高まっています。また、オイシックスは「Kuradashi」というソーシャルグッドマーケットを通じて、フードロス削減のための活動を行っており、今日、運営会社のクラダシの株価がストップ安となったことに影響を大きく受けた可能性があります。
3.不透明な状況: ロシア・ウクライナ情勢の長期化による世界的な資源価格の高騰や為替相場の大幅な変動など、経済的な不透明感が依然として存在しています。
4.市場予測の低評価: 業績予想では、2024年6月期の売上高が前期比20.3%増の3,500百万円、営業利益が45百万円、経常利益が45百万円、当期純利益が80百万円と予測されていますが、市場参加者がこの予測に対して期待感が低かった可能性があります。
総合的に見て、決算自体は良好でありながら、市場の先行き不安や株価予想の低評価によって株価が急落した可能性があります。ただし、株価の変動は市場の様々な要因から影響を受けるため、詳細な分析が必要です。

値下がり率の6位は、和心(9271)でした。株価が急落した理由は、下期(7月から12月)の連結最終損益の赤字転落予想が影響しています。和心は上期(1月から6月)の連結最終損益で1600万円の黒字を記録し、通期計画を既に上回りましたが、下期の連結最終損益は1億300万円の赤字に転落する見通しです。これにより、投資家や市場は下期の業績見通しに懸念を抱いたため、株価が急落したと考えられます。

和心は債務超過解消に向けた取り組みを進めており、経済環境の不確実要素や、ウクライナ情勢の長期化、物価上昇などにも注意を払いながら、事業の安定化を図る方針を示しています。具体的な取り組みとして、来店客数の増加や新業態の展開、経費削減、新規出店計画などが挙げられています。しかし、下期の赤字転落予想が市場に影響を与え、株価が反応した形です。

投資家や市場は、将来的な業績や資本政策、債務超過の解消進捗に注目しながら、和心の経営状況の変化を見守ることとなりそうです。

順位コード会社名終値前日比
13069JFLAホールディングス248-24.39%
27133HYUGA PRIMARY CARE1,515-16.80%
35884クラダシ542-15.58%
43556リネットジャパングループ589-14.51%
53182オイシックス1,911-13.41%
69271和心383-12.56%
8月14日、小売セクター値下がり率前日比10%超銘柄