8月24日、小売セクターで株価が前日比10%超となったのは、値上がり1銘柄、値下がり1銘柄、合計2銘柄でした。
値上がり率トップは、CVSベイエリア(2687)で、一時はストップ高となりました。株価高騰の理由は以下の要因が考えられます。
1.年初来高値更新と7年ぶり高値圏浮上: CVSベイエリアは、物色人気により株価が前日比150円高でストップ高の1047円まで上昇しました。これにより、約1カ月ぶりに年初来高値を更新し、さらに時価は2016年7月以来約7年ぶりの高値圏に浮上しました。
2.マンション管理事業とホテル事業の展開: CVSベイエリアは、千葉や東京を地盤にマンション管理事業やホテル事業を展開しています。脱コロナの影響を受けて、リオープン効果によりマンション管理事業の収益環境が改善しています。また、訪日外国人急増によるインバウンド消費の追い風を受けて、ホテル事業においてもビジネスチャンスが広がっています。
3.業績予想の増額: 2024年2月期の業績予想を増額したことも株価上昇の要因となっています。営業利益が前期比3.9倍の3億1400万円を見込んでおり、第1四半期時点で既に1億7100万円に達していることが考慮されています。さらなる上振れも期待されています。
4.株式需給思惑: 貸株規制対象となっているにもかかわらず、株式の需給思惑が根強く残っています。これは株価の上昇要因の一つとされています。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 2687 | CVSベイエリア | 1,002 | 11.71% |
値下がり率のトップは、グッドスピード(7676)でした。8月23日のストップ安に続き、2日連続の大幅下落となりました。
その大きな要因は、8月23日の東洋経済オンラインの記事にあります。
そのポイントは、
1.保険金不正請求問題の拡大: ビッグモーターによる保険金不正請求問題が同業大手にも広がりつつあると報道されています。この問題は中古車販売会社において、事故車修理費用(保険金)を水増し請求するというものです。
2.グッドスピードの保険金不正請求: グッドスピードは、中古車販売大手であり、事故車の修理費用を水増し請求していることが新たに判明したと報じられました。これにより、損害保険会社がグッドスピードの修理案件を精査し、疑義のある案件が表面化したとされています。
3.業界全体への影響: ビッグモーターの保険金不正問題が発覚した際から、同業者の中で保険金の不正請求が顕在化する可能性が指摘されていました。実際に、他の中古車販売会社や系列販売会社においても不正行為が発覚しており、業界全体で不正行為が広がっている状況です。
4.影響が保険料に及ぶ可能性: 不正請求の規模が拡大すれば、保険料の過払い金が発生する可能性があるとされています。保険料の過払い金が発生すれば、自動車保険全体の保険料への影響が考えられます。
5.政府や与党の関心: この問題を受けて、政府や与党内で、不正請求背後の修理単価(レバーレート)についての問題が浮上しており、関心を集めています。国会議員たちもこの問題に注目し、対応を迫っています。
総じて、自動車業界における不正請求問題が拡大し、中古車販売業者や修理業者などが関与する一連の不正行為が影響を及ぼしていることが、グッドスピードの株価下落の主な要因となったと言えます。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 7676 | グッドスピード | 965 | -10.81% |