9月3日、小売セクターで株価が前日比10%超となったのは、値上がり2銘柄、値下がり1銘柄の合計3銘柄でした。
値上がり率のトップは、ワイエスフード(3358)で、ストップ高となりました。
理由は、2023年9月1日に発表した「海外事業展開の拡大と関東圏での店舗展開を加速するため東京本部の開設」の発表が買い材料視されたためと考えられます。
同社は九州や西日本を中心に事業展開していますが、関東圏でのプレゼンスを低く、国内事業の成長が鈍化していました。東京本部の開設により、関東圏での店舗展開を加速し、国内事業の成長軌道に戻すねらいがあります。
また、海外展開に向けては現在、米国企業の買収に向けて交渉を進めており、米国やメキシコでの事業展開を検討しているという点も、買い材料視されたと考えられます。
値上がり率の2位は海帆(3133)でした。
同社の株価急騰の理由の1つ目は、75日移動平均線を明確に上回ったことによる先高期待の高まりです。
理由の2つ目は、優待券の利用店舗拡大の発表によるものです。海帆は2023年8月31日に、優待券の利用店舗を拡大すると発表しました。従来は直営店のみで利用可能だった優待券が、子会社が運営する一部店舗でも利用可能になりました。これは、優待券の利用価値を高めるものであり、株主優待を重視する投資家からの買いが入ったと考えられます。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 3358 | ワイエスフード | 569 | 16.36% |
2 | 3133 | 海帆 | 628 | 10.37% |
値下がり率のトップは、かんなん丸(7585)でした。
前週は4連続のストップ高で、さすがにその勢いも反落に転じたようです。
中国の日本の食品禁輸が及ぼす国内マーケット活性化の恩恵については、第1次ショックの材料は出尽くしたことも一服感につながったのかもしれません。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 7585 | かんなん丸 | 602 | -11.47% |