9月6日、小売セクターで株価が前日比10%超となったのは、値下がり2銘柄でした。
値下がり率トップは、ネクステージ(3186)で、ストップ安となりました。
同社株価がストップ安となったポイントは以下の2つと考えられます。
1.中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題
2.ネクステージでも同様の不正が横行している疑い
ビッグモーターは、2023年7月20日に、中古車の修理代を水増しして保険金詐欺を行っていたとして、詐欺容疑で東京地検特捜部に家宅捜索を受けました。このニュースは大きな話題となり、中古車販売業界全体の信頼が揺らいだとされています。
ネクステージは、ビッグモーターと同じく中古車販売業界大手であり、業界第2位の規模を誇ります。そのため、ビッグモーターと同じような不正を行っていた可能性が高いと、一部のメディアが報じました。
この報道を受け、ネクステージの株価は、不信感の高まりから急落し、ストップ安となりました。
なお、ネクステージは9月1日に、報道機関からの質問状についてとして、質問内容とその回答内容をリリースしています。しかし、リリースでは、不正行為の具体的な内容や、不正が行われていた期間などの詳細は明らかにされていません。そのため、投資家は、ネクステージが今後も同様の不正を繰り返すかどうかについて、警戒感を強めていると考えられます。
今後、ネクステージが不正行為について、より詳細な説明を行うことで、株価が回復する可能性はありますが、不正行為が明らかになったことで、ネクステージのブランドイメージは大きく損なわれたと言えるでしょう。
値下がり率の2位は、TORICO(7138)でした。前日に続き大きく株価下落となりました。値下がりの要因は、以下の2つのポイントと考えられます。
1.バスケットボール男子ワールドカップ(W杯)での日本代表の活躍による一時的な株高
2.利益確定売り
バスケットボール男子ワールドカップ(W杯)で日本代表が活躍したことで、バスケットボールへの注目度が高まりました。これにより、同社の運営するECサイト「漫画全巻ドットコム」を通じ、漫画「スラムダンク」を購入するユーザーが増えるとの思惑から、株価は足もとで急伸しました。
しかし、この急伸は短期的な動きであったと言えます。そのため、9月6日には、利益確定売りが膨らみ、株価が大きく値を下げたと考えられます。
なお、みんかぶの「個人投資家の予想(最新48時間)」では、6日午後1時現在でTORICOが「売り予想数上昇」1位となっていました。このことからも、投資家の間には、TORICOの株価が過熱しているとの見方があったことがうかがえます。
今後、TORICOの株価が回復するには、漫画「スラムダンク」の売上増加などの明確な材料が必要と考えられます。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 3186 | ネクステージ | 2,770 | -20.17% |
2 | 7138 | TORICO | 1,300 | -15.58% |