9月12日、小売セクターで株価が前日比10%超となったのは、値上がり1銘柄、値下がり1銘柄の2銘柄となりました。
値上がり率のトップは、丸千代山岡家(3399)でした。
同社の株価上昇の理由は、以下の2つが考えられます。
1.大幅な業績上方修正
丸千代山岡家は、9月11日に2024年1月期第2四半期累計(2~7月)の決算を発表しました。その結果、営業利益が前年同期比43倍の4.8億円となり、従来の予想(0.4億円)を大幅に上回りました。これを受け、通期の営業利益予想も5.4億円から10億円に上方修正されました。
この業績上方修正は、インバウンド需要の拡大や、価格改定による収益改善が背景にあります。インバウンド需要の拡大に伴い、海外からの観光客が来店を増やしたことで、売上高が伸びました。また、原材料費や人件費などのコスト高を吸収するため、一部商品の値上げを実施したところ、想定以上の効果があったようです。
2.低位株の割安感
丸千代山岡家の株価は、2022年12月以降、新型コロナウイルスの感染拡大や原材料費の高騰などを受けて、大きく下落していました。2023年9月12日時点の株価は、前年の同時期に比べて約4分の1にまで下落していました。
そのため、業績の上方修正を受けて、割安感から買いが入ったと考えられます。
以上2つの理由から、9月12日の丸千代山岡家の株価は大幅に上昇しました。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 3399 | 丸千代山岡家 | 4,160 | 16.53% |
値下がり率のトップは、ネクステージ(3186)で、ストップ安となりました。
理由は、以下の2つが考えられます。
1.浜脇社長の辞任とインセンティブ廃止
9月11日、ネクステージは浜脇浩次社長の辞任とインセンティブ廃止を発表しました。浜脇社長は、ビッグモーター問題を受けて、経営責任を取って辞任したとされています。また、インセンティブ廃止は、不正行為の再発防止策の一環と見られています。
これらの発表は、ネクステージの経営に対する信頼を揺るがすものと受け止められました。そのため、投資家は、今後の業績や株価の下落を警戒して、売りを膨らませたと考えられます。
2.ビッグモーター問題の波及懸念
ネクステージは、ビッグモーター問題に関連して、過去に不適切事案があったことを公表しています。ビッグモーターは、中古車販売業界の最大手であり、その不正発覚は業界全体に大きな衝撃を与えました。
ネクステージも、ビッグモーターと同様に、不正行為が再発する可能性を懸念する投資家は少なくありません。そのため、ビッグモーター問題の波及を懸念した売りも、ネクステージの株価下落に影響を与えたと考えられます。
以上の2つの理由から、9月12日のネクステージの株価は大幅に下落しました。
順位 | コード | 会社名 | 終値 | 前日比 |
1 | 3186 | ネクステージ | 1,848 | -21.29% |